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コンサートへ行くか、練習するか。

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『ピアノのコンサートへ行って、美しい音色を浴びてくるか。』
『その時間があるのなら、練習するか。』

 

私は、この葛藤を一年のうちに何度しているか分かりません。

 

〜〜〜

およそこの葛藤が起こるのは、ピアノ演奏本番の直前、まではいかないけれど、ある程度本番を見据えた時期です。

自分の力量を遥かに超えた、超人ともいえるピアニストが奏でる〝天上の音色〟を聴いて、何かを得たい!
そして演奏に生かしたい!
そんな気持ちに駆られるのです。

 

CDや、今はもっと手軽にYouTubeでピアニスト達の演奏を聴くことができますが、生身の身体から奏でられている〝本当の〟音色を聴くためには、やはり生演奏の場に足を運ばなくてはなりません。

 

それは重々承知。
ですが、困ったことにこの葛藤が生まれるのは、割と近い時期に本番を控えたタイミング。

 

他の方はわかりませんが、私の場合は、およそこの時期、ものすごく練習時間をかけなくてはならない時期なのです。

 

〝自分では思いつかないような音色、表現をインプットしたい!〟
その醍醐味を十分に理解しながらも、

〝コンサートへ行く時間があるのなら、今は練習せい!!!〟

という現実も大きな割合を占めるわけです。

 

〜〜〜

今のところ、〝時間があるなら練習せい!〟が勝ってしまっている、ここ2年ほどです。

 

(この葛藤、
私だけなのでしょうか…?
それとも、演奏活動をしていらっしゃる方なら、誰しも同じように味わう葛藤なのでしょうか…?
ちょっと興味があります^ ^)

 

〜〜〜
〝自分では思いつかないような音色・表現〟

 

数年前、浜離宮朝日ホールにて行われた、髙木竜馬さんのピアノリサイタルを聴きに行ったことがありました。

 

登場されて一曲目に演奏された「エリーゼのために」。
冒頭、第一音目から紡がれるpp(ピアニッシモ)の音色に、わたしは衝撃を受けました。

この時感じた衝撃は、おそらく一生忘れないと思うほどのものでした。

 

〝わたしが日頃出しているppとは全く違う。〟
〝こんなに美しいppの音色があるということに、私はこれまで考えが及んでいただろうか。〟

 

これらの言葉が適切か分かりませんが、実際に演奏を聴きながら私の頭に浮かんだ言葉はこの通りだったのです。

 

やはり、体験することやインプットは大切。

〝美しい音色を知らなければ、美しい音色は出せない。〟

改めて突きつけられた体験でした。

 

〜〜〜
と言っても、本番を控えた自分の練習ルーティンや練習計画はなかなか崩さないものですから、すぐに実戦!というわけにはいきませんが、
自分の練習と、インプット。

うまくバランスを取りたいな、と思いながらの今日の練習時間なのでした。

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