こんにちは。
横浜市都筑区 仲町台のピアノ教室 【エミ・ピアノスタジオ】です。
当スタジオのブログをお読みくださり、ありがとうございます。
以前のブログ記事、【練習に行き詰まったら】に登場しました生徒さんのお話です。
その生徒さんが今練習しているのは、
『子犬のおさんぽ』という曲。
この曲は、ポリフォニーで作られた曲です。
ポリフォニーとは、《多声音楽》という意味。
両手で演奏するピアノ曲というと、
〝右手がメロディー、左手は伴奏〟
というスタイルをイメージすることが多いでしょう。
ポリフォニーはそれとは少し異なり、分析してみると、
≪独立した複数のメロディー(声部)が重なり合って≫曲が成り立っています。
右手左手、10本の指で、2声や3声、そして難易度が上がると4声を同時に演奏するのです。
手は2本しかないのに、4つのメロディーを弾き分けるのですから、音楽的にとても難易度が高いです。
メロディーも、同時に鳴るのではなく、一曲を通してバラバラに、あらゆる手法で出てきます。
ということは、メロディーの〝山場〟や〝歌わせ方〟も、様々なタイミングで弾き分けなければなりません。手は2本しかないのに!です。
ポリフォニーについて説明をすると、まだまだ長ーくなってしまいますので、このあたりで。
要するに、“右手と左手が別々の歌手“であるというイメージでしょうか。
その2人(=2声)もしくは、3人(3声)、4人(4声)の歌手を1人で操るのです。
右手はクレッシェンド!=でも同時に、左手はデクレッシェンド。
右手は盛り上がる!=けれど、左手はメロディーが収まっていく・・・など。
頭の中、耳の中を4分割に出来たら良いのに・・・です^^;
『子犬のおさんぽ』のレッスンに話を戻しますね。
その曲は、2声のポリフォニー音楽。
きちんと分析をして弾きこなそうと思うと、とてもとても難しい曲です。
その生徒さん。
どうしても上手くいかない箇所がありました。
右手はだんだん音が上がっていく、盛り上がるメロディー。
対して左手には、右手が上昇したタイミングで下降のメロディーが出てくる…。
ピアノの音色までよく研究して、なおかつ、右手と左手のポリフォニーを意識すると・・・
なかなか一筋縄では行かないのです。
〝音色〟を意識すると、左手がうまくいかない。
左手をうまく入ろうと思うと、、、今度は〝音色が固くなってしまう〟
頭の中では分かっているのです。
両方のメロディーに意識を向けて、それぞれをよく聴き、≪弾き分けなければならない≫ことを。
・・・でも・・・
分かってはいるけれど、、出来ない、、(涙)
分かります。分かります。。。
とっても分かります。
『頭では分かっているのに、弾けない!!!』
本人もとても悔しそうで、感情が爆発していました。
そして、次のレッスン。
演奏ががらりと変わっていました。
音色も、ポリフォニーの歌わせ方も!
〝ピントが合ったのだな♪〟
そう感じました。
本人の中で、どんな変化が起きたのかな?と気になり、聞いてみました。
『何か意識したことはある?』
すると、ひとこと!
『右手と左手、バラバラに聴こえてくるようになったの!!!』
と満面の笑みで答えてくれました^_^
そして続けてまたひとこと。
『練習すると、できるようになるんだね。』
そう。
本当にピアノは、《練習あるのみ》《練習は裏切らない》
意識を変えることで、一瞬で何かが変わることもあります。
ですが、この生徒さんの場合は、練習を重ねた結果に表れたものだなと感じました(^^)
さあ!今度は、このやっと掴めた感覚を〝偶然〟にせず、〝確実に自分のものにしていく〟作業です!
練習あるのみ!
練習の先に見えるものを信じて、一緒に頑張りましょう!